2009年01月01日
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こんにちは、織田篤志です。
皆さんからは“あっちゃん”と呼んでもらっています。
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こんにちは、織田篤志です。
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◆◇ もくじ ◇◆
2008年01月21日
少年の日13(最終話 後編) −ありがとな−
(つづき)
一方、病室では 僕と紀夫が 笑って話してる。
学校であったこと、
クラスメイトのこと、
流行ってる遊びの話、、、
紀夫って、話してみると 結構面白い。
すごく表情が豊かで おどけた顔をする。
僕は、お腹を抱えて笑った。
「あははははは!」
紀夫
「あ、そうだ。」
リュックから おもむろに 何かを取り出した。
「これ、良太に。
おみやげ。」
僕
「おみやげじゃなくて お見舞いだろ?(笑)」
包みを開ける僕。
え?
それは 36色の 色鉛筆だった。
今度は お下がりじゃなく 新品。
僕
「これ、、、
いいの?」
紀夫
「お母さんには 内緒な。
去年の お年玉、残ってたから。
それで、買ってきたんだ。」
僕
「ありがとう! 大事にするよ!」
紀夫
「治ったら、遊ぼうな。
仲間に 入れよ!」
僕
「・・・、
実は もう あんまり遊べない。
今度、さっきここにいた
オジさんの家に住むんだ。
養子って 言ってさ、
あの人の子供になるんだ。」
紀夫は 養子になるってことが
どんなことか いまいち 分かっていなかった。
でも、僕のことが 自分よりも
ずっとずっと たくましく見えたんだろう。
別の人の子供になるなんて、
想像もつかない世界だから。
紀夫
「そっか、お前も 色々大変だな。」
僕
「まあね。」
**********************
1ヶ月後、僕は 家に帰ってきた。
家、
新しい家、
新しいお父さんと お母さんと 僕の家。
そして、、、
シローーーーーーーーー!!!!
シロは、しっぽを 思いっきり振って
僕を 出迎えてくれた。
シロに飛びかかられて、僕は ひっくり返った。
そして、僕の顔を ペロペロペロペロ!
「ひゃははは、
くすぐったいぞ! シロ!」
ワン!
「これからは いつも一緒だ!!」
ワン! ワン!! ワン!!!
***********************
こっちに来てからというもの
毎日毎日 友達と思いっきり遊んだ。
大親友の キー君。
ともちん、マサ、なおち・・・
野球やったり、川に行ったり、
またまた秘密基地 作ったり、
新しい自転車も買ってもらった。
僕
「お母さん! 行ってきまーーーす!」
お母さん
「晩ご飯までに 帰って来るんだよー!」
僕
「はーーーい!」
お父さん
「お? 野球か?
車 気をつけろよ!」
僕
「わかってるって!!
よし!
シロ!
お前も来い!
行くぞ!!!」
ワン!!!
*********************
気がつけば、僕は 大人になっていた。
シロは、、、
僕が 25歳の時に
死んでしまった。
13才だった。
人間で言えば、よぼよぼの おじいちゃん。
僕は シロが使っていた 犬小屋の前に立つ。
今日は お嫁さんと一緒だ。
僕
「シロ、
俺の、嫁さん、
桂子さんだ。
すっごい料理がウマイんだぞ!
よろしくな。」
桂子
「シロ、
ふつつかものですが、
よろしくお願いします♪」
2年後、僕たちは またシロの小屋の前に立った。
新しい 命を 抱きかかえて。
「シロ!
俺も ついに お父さんだ。
女の子だぞ。
友紀って いうんだ。
この子も、、、 よろしくな。」
今でも 町で 白い犬を見ると
シロのことを思い出す。
シロのおかげで 僕は こうして大人になれた。
シロのおかげで 僕は 愛情いっぱいに 育った。
ありがとな、シロ!!
『ワンッ!!!』
少年の日 fin
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一方、病室では 僕と紀夫が 笑って話してる。
学校であったこと、
クラスメイトのこと、
流行ってる遊びの話、、、
紀夫って、話してみると 結構面白い。
すごく表情が豊かで おどけた顔をする。
僕は、お腹を抱えて笑った。
「あははははは!」
紀夫
「あ、そうだ。」
リュックから おもむろに 何かを取り出した。
「これ、良太に。
おみやげ。」
僕
「おみやげじゃなくて お見舞いだろ?(笑)」
包みを開ける僕。
え?
それは 36色の 色鉛筆だった。
今度は お下がりじゃなく 新品。
僕
「これ、、、
いいの?」
紀夫
「お母さんには 内緒な。
去年の お年玉、残ってたから。
それで、買ってきたんだ。」
僕
「ありがとう! 大事にするよ!」
紀夫
「治ったら、遊ぼうな。
仲間に 入れよ!」
僕
「・・・、
実は もう あんまり遊べない。
今度、さっきここにいた
オジさんの家に住むんだ。
養子って 言ってさ、
あの人の子供になるんだ。」
紀夫は 養子になるってことが
どんなことか いまいち 分かっていなかった。
でも、僕のことが 自分よりも
ずっとずっと たくましく見えたんだろう。
別の人の子供になるなんて、
想像もつかない世界だから。
紀夫
「そっか、お前も 色々大変だな。」
僕
「まあね。」
**********************
1ヶ月後、僕は 家に帰ってきた。
家、
新しい家、
新しいお父さんと お母さんと 僕の家。
そして、、、
シローーーーーーーーー!!!!
シロは、しっぽを 思いっきり振って
僕を 出迎えてくれた。
シロに飛びかかられて、僕は ひっくり返った。
そして、僕の顔を ペロペロペロペロ!
「ひゃははは、
くすぐったいぞ! シロ!」
ワン!
「これからは いつも一緒だ!!」
ワン! ワン!! ワン!!!
***********************
こっちに来てからというもの
毎日毎日 友達と思いっきり遊んだ。
大親友の キー君。
ともちん、マサ、なおち・・・
野球やったり、川に行ったり、
またまた秘密基地 作ったり、
新しい自転車も買ってもらった。
僕
「お母さん! 行ってきまーーーす!」
お母さん
「晩ご飯までに 帰って来るんだよー!」
僕
「はーーーい!」
お父さん
「お? 野球か?
車 気をつけろよ!」
僕
「わかってるって!!
よし!
シロ!
お前も来い!
行くぞ!!!」
ワン!!!
*********************
気がつけば、僕は 大人になっていた。
シロは、、、
僕が 25歳の時に
死んでしまった。
13才だった。
人間で言えば、よぼよぼの おじいちゃん。
僕は シロが使っていた 犬小屋の前に立つ。
今日は お嫁さんと一緒だ。
僕
「シロ、
俺の、嫁さん、
桂子さんだ。
すっごい料理がウマイんだぞ!
よろしくな。」
桂子
「シロ、
ふつつかものですが、
よろしくお願いします♪」
2年後、僕たちは またシロの小屋の前に立った。
新しい 命を 抱きかかえて。
「シロ!
俺も ついに お父さんだ。
女の子だぞ。
友紀って いうんだ。
この子も、、、 よろしくな。」
今でも 町で 白い犬を見ると
シロのことを思い出す。
シロのおかげで 僕は こうして大人になれた。
シロのおかげで 僕は 愛情いっぱいに 育った。
ありがとな、シロ!!
『ワンッ!!!』
少年の日 fin
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少年の日13(最終話 前編) −ありがとな−
The Story 13 −ありがとな−
大怪我をした僕。
入院している 僕のベッドの回りには
お母さん、新しいお父さん、新しいお母さんがいる。
僕は、深津さんちの、養子になるんだ。
その時、ドアが開いた。
伯父さんと伯母さん、紀夫だ。
部屋に緊張感が漂う。
深津さん夫婦は 初対面の3人が誰なのか
すぐに分かったようだ。
ぺこりと会釈する。
伯父さん、伯母さんは
「誰? この二人。」
というような顔をしていた。
伯父さん
「おおーー、良太君、心配したぞ〜
どうだい? 調子は?」
僕
「うん、大丈夫。
骨が折れただけだから。」
伯父さん
「そっかー、
じゃあ、治ったら 伯父さんと また
キャッチボールしような♪」
僕
「・・・。
う、うん。」
伯母さん
「まさかね〜
あんな距離を 自転車で行くなんて。
分かってたら 送ってあげたのに・・・、
治ったら また おはぎ 作ったげるね♪」
僕
「・・・。
う、うん。」
深津さんも、奥さんも、お母さんも見抜いていた。
(いつまで この演技は 続くんだ?)
そんな時、紀夫が口を開いた。
紀夫
「良太。
良太が 交通事故にあったって聞いて
ビックリしたよ。
死んじゃったらどうしよう、って。
すごく心配した。
でも、顔見て安心した・・・。」
僕は、紀夫の言葉に驚いた。
そして、
紀夫
「ごめんな。
今まで、、、」
伯父さんと伯母さんは きょとんとしてる。
そして、精一杯の 苦笑いを浮かべた。
(何を言い出すんだ? 紀夫は)
でも、僕は 嬉しかった。
あの紀夫が 謝ってくれた。
なんだかんだ言っても、子供同士。
二人とも、心のどこかで仲良くしたかったんだ。
僕
「僕こそ、心配かけて
ゴメンな。
あと、せっかく紀夫にもらった自転車、
壊しちゃった、、、」
紀夫
「あれは、、、
もう、良太のだし、、、
あ、でも、
僕の自転車、、、
良太も 乗って良いから、、、」
僕
「え?」
その時、お母さんが、伯父さん伯母さんに話しかけた。
「ちょっとお話が・・・
ここじゃ、なんだから、外へ、、、
深津さんも ご一緒に、、、」
「あ、はい。」
待合室で、お母さんが話し始めた。
「実は、良太なんですが、、、
今まで お世話になりましたが、
やっぱり こちらで育てようと、、、」
伯母さん
「え?
でも、大丈夫なんですか?
うちのことなら 気にしなくて
よろしいんですよ。」
伯父さん
「幸子さん 一人じゃ
やっぱり大変でしょう?」
お母さん
「いえ、
実は、こちらの 深津さん、
こちらに、、
養子として
お願いしようと思いまして。」
深津さんが 会釈をする。
伯母さん
「養子、、、、
ですか?」
お母さん
「はい。
こちらの深津さんは、シロを飼ってくれてます。
シロは 良太が以前 拾ってきた犬なんですけど。
それで、良太は シロに会うために
ちょくちょく遊びに来てたんですよ。
今回の事故は、こちらに
遊びに来る途中だったんです。」
伯父さん
「そうだったのか、、、」
深津さん
「はい、、、」
お母さん
「良太は 深津さんにとても なついてます。
深津さんも 良太のことを
すごく大事にしてくれてるんです。」
伯母さん
「でも、、、
その、、、
言いにくいんですけど、、、
他人様に お任せして 大丈夫なんですか?」
深津さんは 伯母さんの その言葉を聞いて
眉を ピクンとさせた。
そりゃあそうだ。
誰がどう見ても、今回の事故の原因は、
『僕が 愛されていない』 ことだったから。
深津さんは 僕を
本当の息子のように 愛してくれる。
愛情いっぱいの家庭が
そこにはあった。
一方で、惨めな生活。。。
深津さんの奥さんが 口火を切った。
「うちには 子供が居ないんです。
良太くんは 本当の息子のようなもの。
誰よりも、誰よりも、、、、
そりゃあ 産みの親である 幸子さんには
逆立ちしたって、かなわないですけど、
でも、誰よりも 誰よりも
良太くんのことを 想っています。」
深津さん
「良太くんが 安心して
勉強も 運動もできること
それを 第一に 考えてるんです。
彼の精神的な安定、安心感。
それを考えたら、、、」
伯父さんも伯母さんも ドキッとした。
自分達が いかに 愛していなかったか、、、
いかに、適当に世話していたのか、、、
そして、こういうのが せいいっぱいだった。
「わ、かりました。」
(つづく)
大怪我をした僕。
入院している 僕のベッドの回りには
お母さん、新しいお父さん、新しいお母さんがいる。
僕は、深津さんちの、養子になるんだ。
その時、ドアが開いた。
伯父さんと伯母さん、紀夫だ。
部屋に緊張感が漂う。
深津さん夫婦は 初対面の3人が誰なのか
すぐに分かったようだ。
ぺこりと会釈する。
伯父さん、伯母さんは
「誰? この二人。」
というような顔をしていた。
伯父さん
「おおーー、良太君、心配したぞ〜
どうだい? 調子は?」
僕
「うん、大丈夫。
骨が折れただけだから。」
伯父さん
「そっかー、
じゃあ、治ったら 伯父さんと また
キャッチボールしような♪」
僕
「・・・。
う、うん。」
伯母さん
「まさかね〜
あんな距離を 自転車で行くなんて。
分かってたら 送ってあげたのに・・・、
治ったら また おはぎ 作ったげるね♪」
僕
「・・・。
う、うん。」
深津さんも、奥さんも、お母さんも見抜いていた。
(いつまで この演技は 続くんだ?)
そんな時、紀夫が口を開いた。
紀夫
「良太。
良太が 交通事故にあったって聞いて
ビックリしたよ。
死んじゃったらどうしよう、って。
すごく心配した。
でも、顔見て安心した・・・。」
僕は、紀夫の言葉に驚いた。
そして、
紀夫
「ごめんな。
今まで、、、」
伯父さんと伯母さんは きょとんとしてる。
そして、精一杯の 苦笑いを浮かべた。
(何を言い出すんだ? 紀夫は)
でも、僕は 嬉しかった。
あの紀夫が 謝ってくれた。
なんだかんだ言っても、子供同士。
二人とも、心のどこかで仲良くしたかったんだ。
僕
「僕こそ、心配かけて
ゴメンな。
あと、せっかく紀夫にもらった自転車、
壊しちゃった、、、」
紀夫
「あれは、、、
もう、良太のだし、、、
あ、でも、
僕の自転車、、、
良太も 乗って良いから、、、」
僕
「え?」
その時、お母さんが、伯父さん伯母さんに話しかけた。
「ちょっとお話が・・・
ここじゃ、なんだから、外へ、、、
深津さんも ご一緒に、、、」
「あ、はい。」
待合室で、お母さんが話し始めた。
「実は、良太なんですが、、、
今まで お世話になりましたが、
やっぱり こちらで育てようと、、、」
伯母さん
「え?
でも、大丈夫なんですか?
うちのことなら 気にしなくて
よろしいんですよ。」
伯父さん
「幸子さん 一人じゃ
やっぱり大変でしょう?」
お母さん
「いえ、
実は、こちらの 深津さん、
こちらに、、
養子として
お願いしようと思いまして。」
深津さんが 会釈をする。
伯母さん
「養子、、、、
ですか?」
お母さん
「はい。
こちらの深津さんは、シロを飼ってくれてます。
シロは 良太が以前 拾ってきた犬なんですけど。
それで、良太は シロに会うために
ちょくちょく遊びに来てたんですよ。
今回の事故は、こちらに
遊びに来る途中だったんです。」
伯父さん
「そうだったのか、、、」
深津さん
「はい、、、」
お母さん
「良太は 深津さんにとても なついてます。
深津さんも 良太のことを
すごく大事にしてくれてるんです。」
伯母さん
「でも、、、
その、、、
言いにくいんですけど、、、
他人様に お任せして 大丈夫なんですか?」
深津さんは 伯母さんの その言葉を聞いて
眉を ピクンとさせた。
そりゃあそうだ。
誰がどう見ても、今回の事故の原因は、
『僕が 愛されていない』 ことだったから。
深津さんは 僕を
本当の息子のように 愛してくれる。
愛情いっぱいの家庭が
そこにはあった。
一方で、惨めな生活。。。
深津さんの奥さんが 口火を切った。
「うちには 子供が居ないんです。
良太くんは 本当の息子のようなもの。
誰よりも、誰よりも、、、、
そりゃあ 産みの親である 幸子さんには
逆立ちしたって、かなわないですけど、
でも、誰よりも 誰よりも
良太くんのことを 想っています。」
深津さん
「良太くんが 安心して
勉強も 運動もできること
それを 第一に 考えてるんです。
彼の精神的な安定、安心感。
それを考えたら、、、」
伯父さんも伯母さんも ドキッとした。
自分達が いかに 愛していなかったか、、、
いかに、適当に世話していたのか、、、
そして、こういうのが せいいっぱいだった。
「わ、かりました。」
(つづく)
2008年01月18日
少年の日12 −お父さん、お母さん−
The Story 12 −お父さん、お母さん−
深津さん
「良太ぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」
深津さんは 目を疑った。
(まさか、まさか、まさか、
良ちゃん・・・)
やはり動かない子供は
今日、養子になるはずの 僕だった。
ピーポー ピーポー ピーポー ピーポー
深津さんは 救急車に同乗してくれ、
一緒に病院に向かった。
その場にいた ご近所さんに、
「息子が事故した!
病院に行く!
家内に そう伝えてくれ!」
と言い残した。
グシャグシャになった ボロ自転車。
その横には 血痕と、
脱げてしまった靴が片方。
ご近所さんの連絡を受けた、お母さんと奥さん。
血相を変えて 現場にやってくる。
そして、その場に座り込んでしまった。
お母さん
「良太ぁーーーー!(泣)」
奥さん
「良ちゃん、、、(泣)」
僕の 靴を抱えながら 泣き叫ぶ お母さん。
お母さんを抱え、泣きながら 気丈に振る舞う 奥さん。
お母さん
「良太に、、、
何かあったら、、、(泣)
私のせいだ、、、
私が 手放しさえしなければ、、、(泣)」
奥さん
「大丈夫だから!
絶対、
絶対、
絶対 大丈夫だから!!
良ちゃんが こんなことで
どうかなるなんて、、、
絶対ないから!!(泣)
あんたの 子だろう?!
私たちの 子なんだよ!! (泣)
絶対、絶対、元気になるから!!! (泣)」
お母さんと 奥さんは 深津さん宅で
おじさんからの連絡を待った。
振り子時計の音が やけに大きく感じる。
かち
かち
かち
かち
湯のみのお茶は 冷え切ってしまった。
二人は 一点を見つめたまま 会話も無い。
ただただ、黒電話が 鳴るのを待つ。
かち
かち
かち
かち
シロは 庭で 二人の方を見て
じっと お座りの姿勢で 待っている。
かち
かち
かち
かち
ジリリリリリーーーーーン!!!
ワン!
奥さん
「はい、深津です。
あなた、、
はい、、
はい、、、
はい、、、、」
お母さんは じっと 奥さんを見据えたままでいる。
どんな会話がされてるのか・・・
奥さん
「はい、、、
じゃあ、お母さんに代わります。」
受話器を渡す奥さんには 笑みがこぼれていた。
「大丈夫よ!」
お母さんの顔が パッと花開いた。
お母さん
「もしもし、代わりました。
はい、
はい、、、
市民病院、はい、
はい、、、、
良かった〜〜〜〜〜〜。(笑)
はい、
ありがとうございます。
すぐ行きます!!」
僕は トラックに跳ね飛ばされ、
地面に叩きつけられた。
その時に肩を 骨折したのと、
ぶつかった方の足を骨折しただけ。
奇跡的に この程度で済んだ。
動かなかったのは 気絶していたからだった。
***********************
1週間もすると 点滴も外れ、
ご飯も食べられるようになった。
その間、お母さんと 深津さんと 奥さんとで
交代で 僕を 看てくれていた。
僕
「また シロと 遊べるかな?」
お母さん
「もうちょっとね。
でも、ちゃんと遊べるようになるから、、
今は きちんと 治しなさいね。」
僕
「お母さん ごめんなさい。
僕、
お母さんに 心配ばかりかけて、、、」
お母さん
「なに言ってんだか。
子供の心配しない親なんていないよ。
あんたは、そんなことは気にしなくていいの。
治すことだけ考えてな。」
お母さんと話をしていると
深津さんと奥さんがやってきた。
深津さん
「おおーー、良ちゃん!
元気か?」
奥さん
「あなたったら、(笑)
元気だったら 病院にいないわよ、ね〜♪」
僕
「あ、でも 元気だよ!
歩けないけど、心は 元気!!!(笑)」
深津さん
「ほら見ろ!
俺は そういうことが聞きたかったの。」
奥さん
「はい♪ はい♪」
お母さん
「ほんとに、深津さん
何から何まで、ありがとうございます。
ほら、良太も お礼ちゃんと言いなさいよ。
あんたのこと、ずっと心配で
毎日お見舞いに 来てくださるんだからね。
着替えも全部 深津さんが買ってくれたんだよ。」
僕
「おじさん、、、
おばさん、、、
ありがとう!
あ、違った!(笑)
(コホン)
新しい、、、
お父さん、
お母さん、
ありがとう。」
お母さん
「え?
良太?
あんた・・・」
僕は 眠っている時、
お母さんと、深津さん、奥さんの会話を聞いていた。
お母さんは、深津さんの献身的な看護を見て、
心から 僕のことを 愛してくれている と、
肌で感じていたんだ。
(この二人になら 良太を 任せられる)
深津さん
「良ちゃん?
今、
なんて???(泣)」
奥さん
「良ちゃん?
おばさんのこと、
お母さんって呼んでくれるの?(泣)」
僕
「うん。
僕の、新しい、お父さんと お母さん!
シロの、お父さんと お母さん!」
お母さんも 目に涙を浮かべてくれている。
僕
「僕は ラッキーだな。
だって、
普通の子は お父さんと お母さん
1人ずつしか いないでしょ?
でも、僕には 二人ずつ いるんだもん。
お父さんは 死んじゃったけど、
でも やっぱり二人ずつ。
だから 僕は ラッキーなんだ!!」
「良ちゃん、、、」
「良ちゃん、、、」
「良太、、、」
お母さん
「良太、ごめんね。(泣)
お母さん、
良太に 寂しい思いさせちゃったね。(泣)」
良太
「ううん。
お母さん、謝らないで。
こうやって 新しいお父さんとお母さんが できたんだもん。
だから、
大丈夫だよ。(笑)」
その時、ドアが開いた。
伯父さんと伯母さん、紀夫だ。
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深津さん
「良太ぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」
深津さんは 目を疑った。
(まさか、まさか、まさか、
良ちゃん・・・)
やはり動かない子供は
今日、養子になるはずの 僕だった。
ピーポー ピーポー ピーポー ピーポー
深津さんは 救急車に同乗してくれ、
一緒に病院に向かった。
その場にいた ご近所さんに、
「息子が事故した!
病院に行く!
家内に そう伝えてくれ!」
と言い残した。
グシャグシャになった ボロ自転車。
その横には 血痕と、
脱げてしまった靴が片方。
ご近所さんの連絡を受けた、お母さんと奥さん。
血相を変えて 現場にやってくる。
そして、その場に座り込んでしまった。
お母さん
「良太ぁーーーー!(泣)」
奥さん
「良ちゃん、、、(泣)」
僕の 靴を抱えながら 泣き叫ぶ お母さん。
お母さんを抱え、泣きながら 気丈に振る舞う 奥さん。
お母さん
「良太に、、、
何かあったら、、、(泣)
私のせいだ、、、
私が 手放しさえしなければ、、、(泣)」
奥さん
「大丈夫だから!
絶対、
絶対、
絶対 大丈夫だから!!
良ちゃんが こんなことで
どうかなるなんて、、、
絶対ないから!!(泣)
あんたの 子だろう?!
私たちの 子なんだよ!! (泣)
絶対、絶対、元気になるから!!! (泣)」
お母さんと 奥さんは 深津さん宅で
おじさんからの連絡を待った。
振り子時計の音が やけに大きく感じる。
かち
かち
かち
かち
湯のみのお茶は 冷え切ってしまった。
二人は 一点を見つめたまま 会話も無い。
ただただ、黒電話が 鳴るのを待つ。
かち
かち
かち
かち
シロは 庭で 二人の方を見て
じっと お座りの姿勢で 待っている。
かち
かち
かち
かち
ジリリリリリーーーーーン!!!
ワン!
奥さん
「はい、深津です。
あなた、、
はい、、
はい、、、
はい、、、、」
お母さんは じっと 奥さんを見据えたままでいる。
どんな会話がされてるのか・・・
奥さん
「はい、、、
じゃあ、お母さんに代わります。」
受話器を渡す奥さんには 笑みがこぼれていた。
「大丈夫よ!」
お母さんの顔が パッと花開いた。
お母さん
「もしもし、代わりました。
はい、
はい、、、
市民病院、はい、
はい、、、、
良かった〜〜〜〜〜〜。(笑)
はい、
ありがとうございます。
すぐ行きます!!」
僕は トラックに跳ね飛ばされ、
地面に叩きつけられた。
その時に肩を 骨折したのと、
ぶつかった方の足を骨折しただけ。
奇跡的に この程度で済んだ。
動かなかったのは 気絶していたからだった。
***********************
1週間もすると 点滴も外れ、
ご飯も食べられるようになった。
その間、お母さんと 深津さんと 奥さんとで
交代で 僕を 看てくれていた。
僕
「また シロと 遊べるかな?」
お母さん
「もうちょっとね。
でも、ちゃんと遊べるようになるから、、
今は きちんと 治しなさいね。」
僕
「お母さん ごめんなさい。
僕、
お母さんに 心配ばかりかけて、、、」
お母さん
「なに言ってんだか。
子供の心配しない親なんていないよ。
あんたは、そんなことは気にしなくていいの。
治すことだけ考えてな。」
お母さんと話をしていると
深津さんと奥さんがやってきた。
深津さん
「おおーー、良ちゃん!
元気か?」
奥さん
「あなたったら、(笑)
元気だったら 病院にいないわよ、ね〜♪」
僕
「あ、でも 元気だよ!
歩けないけど、心は 元気!!!(笑)」
深津さん
「ほら見ろ!
俺は そういうことが聞きたかったの。」
奥さん
「はい♪ はい♪」
お母さん
「ほんとに、深津さん
何から何まで、ありがとうございます。
ほら、良太も お礼ちゃんと言いなさいよ。
あんたのこと、ずっと心配で
毎日お見舞いに 来てくださるんだからね。
着替えも全部 深津さんが買ってくれたんだよ。」
僕
「おじさん、、、
おばさん、、、
ありがとう!
あ、違った!(笑)
(コホン)
新しい、、、
お父さん、
お母さん、
ありがとう。」
お母さん
「え?
良太?
あんた・・・」
僕は 眠っている時、
お母さんと、深津さん、奥さんの会話を聞いていた。
お母さんは、深津さんの献身的な看護を見て、
心から 僕のことを 愛してくれている と、
肌で感じていたんだ。
(この二人になら 良太を 任せられる)
深津さん
「良ちゃん?
今、
なんて???(泣)」
奥さん
「良ちゃん?
おばさんのこと、
お母さんって呼んでくれるの?(泣)」
僕
「うん。
僕の、新しい、お父さんと お母さん!
シロの、お父さんと お母さん!」
お母さんも 目に涙を浮かべてくれている。
僕
「僕は ラッキーだな。
だって、
普通の子は お父さんと お母さん
1人ずつしか いないでしょ?
でも、僕には 二人ずつ いるんだもん。
お父さんは 死んじゃったけど、
でも やっぱり二人ずつ。
だから 僕は ラッキーなんだ!!」
「良ちゃん、、、」
「良ちゃん、、、」
「良太、、、」
お母さん
「良太、ごめんね。(泣)
お母さん、
良太に 寂しい思いさせちゃったね。(泣)」
良太
「ううん。
お母さん、謝らないで。
こうやって 新しいお父さんとお母さんが できたんだもん。
だから、
大丈夫だよ。(笑)」
その時、ドアが開いた。
伯父さんと伯母さん、紀夫だ。
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2008年01月17日
少年の日11 −良太−
The Story 11 −良太−
深津さんは お母さんと
僕のことについて 話し合っていた。
深津さん
「良太君にとっても、お母さんが近くにいて、
いつでも すっと行ける環境の方が、
何かと 良いと思うんです。
こっちには 友達も たくさんいるし、
大好きな シロも いるし、
以前のような 明るい良太君に なって欲しいんです。
お母さんだって、遠くの親戚より、
いつだって様子を見られる方が 安心でしょう。
良太君が 子供らしく、勉強も 運動もできて、
すくすくと成長できる 環境。
もう、これ以上 ひもじい思いなんて
させたくないんです。
良太君を、、、
養子に、、、
考えていただけませんか?」
お母さん
「、、、、。」
深津さん
「お願いします!」
奥さん
「お願いします! 幸子さん!」
ワン!!
お母さん
「そうですね、、、、
深津さんが そこまで考えてくださるなんて、、、
もったいないことです。
子供にとっては 安心して笑える
そんな環境が一番ですものね。
でも、一度 本人にも 事情を聞いて、、、
本人の 考えも、、、」
深津さん
「わかりました。
でも、1日も早く、温かいご飯を
毎日 食べさせたい。
彼に、不安の無い 生活をさせてあげたい。
幸子さんと 想いは同じですから。」
*********************
お母さんがくれた 水色のセーターを着て
僕は ボロ自転車を すっ飛ばし中!
今日は 待ちに待った日曜日。
僕
「伯母さん、行ってきます!」
相変わらず 伯母さんは
右手で しっしっ とやるだけ。
(まったく、いつも どこ行ってんだか・・・)
空気は すごく冷たいけれど、
今日も 深津さんと 奥さんの
温かさに 触れることができる!
想像するだけで、心はポカポカしてくるんだ。
相変わらず あっちの家では
伯母さんに無視されたり、
紀夫に 「バイキン」 呼ばわりされてるけど、
このボロの自転車を 手に入れてから、
週末の小旅行が 僕を 支えてくれている!
道路わきは この前 降った雪が まだ積もっていた。
太陽の光を反射して キラキラしてる。
(へへ、 雪が まぶしいや)
深津さんちは もうすぐ!
僕
「おじさーーーん!!!」
僕は 深津さんを呼んでいた。
こんな距離からじゃ 聞こえるわけないのに。
深津さんちに着く時間。
それが どんどん早くなってることが 嬉しかった。
近道を見つけたこと、
僕のペダルを踏む力が 強くなってるのもある。
深津さんも
「お、この前より 10分早いぞ」
なんて、言ってくれる。
僕の成長を そんなことでも感じてくれているみたいだ。
だから、今日も 新記録を狙うんだ!
頑張れ! 僕!
もうすぐ会えるよ!
深津さーーーーーーーん!!!
その時だった。
キキーーーーーーッ!!!!
ドーーーーーーーン!!!!!
グシャッ!!!
バキバキッ!!
僕は 何が起こったのか 分からなかった。
いつの間にか 空を 見ている。
右から 左に 太陽が 勝手に動く。
ペダルをこいでるはずなのに
前に進まない。
あれ?
もうちょっとで 深津さんちだぞ。
あれれれれ?
僕は そのまま
動かなくなっていた。
************************
その頃 深津家では、、、
深津さんは 店で接客中。
奥さんは 家で 話をしていた。
奥さん
「そろそろ 良ちゃん 来る頃ですから。」
お母さん
「はい。
まさか、あの距離を 自転車で来るなんてね。
良太も 成長したもんです。」
奥さん
「子供の成長って 早いですよね。
良ちゃんとは 半年ぶり でしたっけ?」
お母さん
「そうですね。
半年か・・・
大きくなってるでしょうね。」
実は この日、養子縁組の話をするため
お母さんが 深津さんちに来ていた。
もちろん、僕が合流することを 見計らって。
内緒にしていたのは、
僕を びっくりさせるため だったかもしれない。
!!!!!!
突然 シロが けたたましく 吠えはじめた。
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
奥さん
「シロ?
何か あったのかしら。。。」
火事のあった晩と 同じ吠え方をしている シロ。
奥さんは ブルッと 震えた。
「良ちゃん?」
*********************
トラックの運転手が
青い顔をして 叫ぶ!
事故だ!!!
誰か!!!
救急車!!!
早く!!!
早く!!!
大丈夫か!!!
おいっ!!!
返事してくれーーーー!!!!!
深津さんが 100m先で起こった異変に気付き、
全速力で 走り寄ってきた。
遠目からでも 事故だというのは すぐに分かった。
まさか!!!
現場と距離が 縮まる。
トラックと、、、
子供?!?!
まさか!!!
水色の服?!?!
まさか!!!
「良太ぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」
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深津さんは お母さんと
僕のことについて 話し合っていた。
深津さん
「良太君にとっても、お母さんが近くにいて、
いつでも すっと行ける環境の方が、
何かと 良いと思うんです。
こっちには 友達も たくさんいるし、
大好きな シロも いるし、
以前のような 明るい良太君に なって欲しいんです。
お母さんだって、遠くの親戚より、
いつだって様子を見られる方が 安心でしょう。
良太君が 子供らしく、勉強も 運動もできて、
すくすくと成長できる 環境。
もう、これ以上 ひもじい思いなんて
させたくないんです。
良太君を、、、
養子に、、、
考えていただけませんか?」
お母さん
「、、、、。」
深津さん
「お願いします!」
奥さん
「お願いします! 幸子さん!」
ワン!!
お母さん
「そうですね、、、、
深津さんが そこまで考えてくださるなんて、、、
もったいないことです。
子供にとっては 安心して笑える
そんな環境が一番ですものね。
でも、一度 本人にも 事情を聞いて、、、
本人の 考えも、、、」
深津さん
「わかりました。
でも、1日も早く、温かいご飯を
毎日 食べさせたい。
彼に、不安の無い 生活をさせてあげたい。
幸子さんと 想いは同じですから。」
*********************
お母さんがくれた 水色のセーターを着て
僕は ボロ自転車を すっ飛ばし中!
今日は 待ちに待った日曜日。
僕
「伯母さん、行ってきます!」
相変わらず 伯母さんは
右手で しっしっ とやるだけ。
(まったく、いつも どこ行ってんだか・・・)
空気は すごく冷たいけれど、
今日も 深津さんと 奥さんの
温かさに 触れることができる!
想像するだけで、心はポカポカしてくるんだ。
相変わらず あっちの家では
伯母さんに無視されたり、
紀夫に 「バイキン」 呼ばわりされてるけど、
このボロの自転車を 手に入れてから、
週末の小旅行が 僕を 支えてくれている!
道路わきは この前 降った雪が まだ積もっていた。
太陽の光を反射して キラキラしてる。
(へへ、 雪が まぶしいや)
深津さんちは もうすぐ!
僕
「おじさーーーん!!!」
僕は 深津さんを呼んでいた。
こんな距離からじゃ 聞こえるわけないのに。
深津さんちに着く時間。
それが どんどん早くなってることが 嬉しかった。
近道を見つけたこと、
僕のペダルを踏む力が 強くなってるのもある。
深津さんも
「お、この前より 10分早いぞ」
なんて、言ってくれる。
僕の成長を そんなことでも感じてくれているみたいだ。
だから、今日も 新記録を狙うんだ!
頑張れ! 僕!
もうすぐ会えるよ!
深津さーーーーーーーん!!!
その時だった。
キキーーーーーーッ!!!!
ドーーーーーーーン!!!!!
グシャッ!!!
バキバキッ!!
僕は 何が起こったのか 分からなかった。
いつの間にか 空を 見ている。
右から 左に 太陽が 勝手に動く。
ペダルをこいでるはずなのに
前に進まない。
あれ?
もうちょっとで 深津さんちだぞ。
あれれれれ?
僕は そのまま
動かなくなっていた。
************************
その頃 深津家では、、、
深津さんは 店で接客中。
奥さんは 家で 話をしていた。
奥さん
「そろそろ 良ちゃん 来る頃ですから。」
お母さん
「はい。
まさか、あの距離を 自転車で来るなんてね。
良太も 成長したもんです。」
奥さん
「子供の成長って 早いですよね。
良ちゃんとは 半年ぶり でしたっけ?」
お母さん
「そうですね。
半年か・・・
大きくなってるでしょうね。」
実は この日、養子縁組の話をするため
お母さんが 深津さんちに来ていた。
もちろん、僕が合流することを 見計らって。
内緒にしていたのは、
僕を びっくりさせるため だったかもしれない。
!!!!!!
突然 シロが けたたましく 吠えはじめた。
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
奥さん
「シロ?
何か あったのかしら。。。」
火事のあった晩と 同じ吠え方をしている シロ。
奥さんは ブルッと 震えた。
「良ちゃん?」
*********************
トラックの運転手が
青い顔をして 叫ぶ!
事故だ!!!
誰か!!!
救急車!!!
早く!!!
早く!!!
大丈夫か!!!
おいっ!!!
返事してくれーーーー!!!!!
深津さんが 100m先で起こった異変に気付き、
全速力で 走り寄ってきた。
遠目からでも 事故だというのは すぐに分かった。
まさか!!!
現場と距離が 縮まる。
トラックと、、、
子供?!?!
まさか!!!
水色の服?!?!
まさか!!!
「良太ぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」
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2008年01月16日
少年の日10 −懇願−
The Story 10 −懇願−
初冬のある日。
木枯らしが 吹く晩の 深津家。
月の綺麗な夜。
物音一つしない夜。
深津のおじさんも おばさんも シロも眠っている。
突然 シロの耳が ぴくっと 動き、
そして、力の限り 吠え出した!!!
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
シロをつないでいる チェーンが
千切れんばかりに 引っ張られる。
そのチェーンをつないだ杭がグラグラする。
深津さんは 布団の中で
シロの尋常じゃない泣き声に気付いた。
深津さん
「どうしたんや?・・・シロ」
奥さん
「何か あったのかな?」
深津さん
「ちょっと見てくるわ。」
深津さんは立ち上がり、
寝巻きのまま 外に出ようとした瞬間、
異変に気付いた。
「コゲ臭い!!!」
窓ガラス越しに 赤い炎が見える!!
深津さんは すぐに奥さんを叩き起こす!
「火事だ!!!
起きろ!!!」
深津さんは すぐに電話まで走り、
119番に 通報した。
「はっ!!!
シロ!!!!」
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
シロの瞳には 赤いものが映っている。
暴れる炎に向かって吼え続ける シロ!
深津さんは すぐに シロのチェーンを解いた。
シロは ダッと 飛び出し まるで近所に知らせるように
眠っている人々を 起こして回る。
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
バケツで応戦する 深津さん!!!
奥さんは 両手鍋に 水を汲んでくる!
近所の人も バケツで 水をかけてくれた!
でも、こんなんじゃ、火は全然 衰えない!
Uuuuu−−−−−−!!!!
カン!! カン!! カン!!
Uuuuu−−−−−−!!!!
カン!! カン!! カン!!
遠くの方から 消防車のサイレンが 聞こえてきた。
その音は どんどん近づいてくる。
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
消防車の 前を走っているのは シロ!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
まるで 『こっちだ!! 早く!!!』 と
言っているかのようだった。
消防車の 放水が始まる。
屋根まで 届いていた炎の山は
次第に 小さく 小さくなっていった。
空気が乾燥していたところに、
誰かが投げた タバコが 風に吹かれて
そのまま深津さんちに転がってきた。
それが原因だった。
深津さんは 鎮火した家を見続けた。
焼けたのは 家の一部だけだった。
立ちすくむ深津さんに、
シロが寄り添って おすわりしている。
「シロが 教えてくれなかったら・・・.
今頃は 焼け死んでいたかもしれない・・・
ありがとうな、シロ!!」
深津さんは この小さな英雄を ぎゅっと抱きしめた。
***********************
あの火事から 数週間が経っていた。
焼けたのは 普段使っていない部屋の方で、
魚屋の営業にも支障はなかった。
火災保険にも きっちり入っていたおかげで
特に お金を持ち出すことなく 修繕に入れた。
深津さんは 大工さんにお願いする時、
こう付け加えた。
「ここは 子供が使えるように
すこし 広めの部屋に
作り直してもらえんですか。」
**************************
ある日のこと。
深津さんと 奥さんは 僕の実家に居た。
ちゃぶ台の上には お茶の湯気が ゆらゆらと立ち昇っている。
その時、僕は あっちの家にいたので、当然この場には居ない。
お母さん
「え? 良太を?」
深津さん
「はい。
どうしても です。」
お母さん
「でも、、、
急に、、、」
深津さん
「幸子さんは ご存じないかもしれませんが、、、、
これは、良太君に 口止めされてるので
ここだけの話に しといてもらいたいんですが、、、
良太君は ここんとこ、日曜日になると
うちに来てくれていたんです。
実は、あっちの家では うまくいっていないようです。
いえ、
うまくいっていないなんて、そんなもんじゃない!
むしろ 子供にとっては 虐待と言ってもいいくらいの
そんな、惨めな生活をしているようです。」
お母さん
「そんな、、、」
奥さん
「でも、事実ですよ。
床屋さんにも連れてってもらえなくって、
先日 私が連れてったんです。
床屋さんに。」
深津さん
「ご飯だって、1人で食べてるそうです。
暗い 冷たい 部屋でね。
おかずなんて、ほとんど無し。
だから うちに来るときは
それこそ、一週間分 お腹に詰め込む勢いで
食べて行きます。」
お母さん
「・・・。
そうだったんですか・・・。」
深津さん
「私もね、同情とか、勢いとか、
そんな一時の感情で こんなこと言ってるわけじゃないんです。
彼の将来を思って、
彼がこれから きちんと成長していくことを思って・・・」
お母さん
「でも・・・、」
奥さん
「うちが 火事になった時、
一番がんばったのは シロなんです。
シロが居なかったら、
もしかしたら、火事の発見が遅れてたかもしれない。
そしたら もっと延焼してただろうし、
私たちの命だって・・・
そのシロの命を救ったのは 良ちゃん。
だから、『良ちゃんに 助けてもらった』
私たち、本当に そう思ってるんですよ。」
ワン!!!
表に つないでいる シロが吠えた!!!
まるで お母さんに 懇願するように・・・
シロ
(ボクも 良太くんと 一緒に 暮らしたい!!!)
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初冬のある日。
木枯らしが 吹く晩の 深津家。
月の綺麗な夜。
物音一つしない夜。
深津のおじさんも おばさんも シロも眠っている。
突然 シロの耳が ぴくっと 動き、
そして、力の限り 吠え出した!!!
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
シロをつないでいる チェーンが
千切れんばかりに 引っ張られる。
そのチェーンをつないだ杭がグラグラする。
深津さんは 布団の中で
シロの尋常じゃない泣き声に気付いた。
深津さん
「どうしたんや?・・・シロ」
奥さん
「何か あったのかな?」
深津さん
「ちょっと見てくるわ。」
深津さんは立ち上がり、
寝巻きのまま 外に出ようとした瞬間、
異変に気付いた。
「コゲ臭い!!!」
窓ガラス越しに 赤い炎が見える!!
深津さんは すぐに奥さんを叩き起こす!
「火事だ!!!
起きろ!!!」
深津さんは すぐに電話まで走り、
119番に 通報した。
「はっ!!!
シロ!!!!」
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
シロの瞳には 赤いものが映っている。
暴れる炎に向かって吼え続ける シロ!
深津さんは すぐに シロのチェーンを解いた。
シロは ダッと 飛び出し まるで近所に知らせるように
眠っている人々を 起こして回る。
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
バケツで応戦する 深津さん!!!
奥さんは 両手鍋に 水を汲んでくる!
近所の人も バケツで 水をかけてくれた!
でも、こんなんじゃ、火は全然 衰えない!
Uuuuu−−−−−−!!!!
カン!! カン!! カン!!
Uuuuu−−−−−−!!!!
カン!! カン!! カン!!
遠くの方から 消防車のサイレンが 聞こえてきた。
その音は どんどん近づいてくる。
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
消防車の 前を走っているのは シロ!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
まるで 『こっちだ!! 早く!!!』 と
言っているかのようだった。
消防車の 放水が始まる。
屋根まで 届いていた炎の山は
次第に 小さく 小さくなっていった。
空気が乾燥していたところに、
誰かが投げた タバコが 風に吹かれて
そのまま深津さんちに転がってきた。
それが原因だった。
深津さんは 鎮火した家を見続けた。
焼けたのは 家の一部だけだった。
立ちすくむ深津さんに、
シロが寄り添って おすわりしている。
「シロが 教えてくれなかったら・・・.
今頃は 焼け死んでいたかもしれない・・・
ありがとうな、シロ!!」
深津さんは この小さな英雄を ぎゅっと抱きしめた。
***********************
あの火事から 数週間が経っていた。
焼けたのは 普段使っていない部屋の方で、
魚屋の営業にも支障はなかった。
火災保険にも きっちり入っていたおかげで
特に お金を持ち出すことなく 修繕に入れた。
深津さんは 大工さんにお願いする時、
こう付け加えた。
「ここは 子供が使えるように
すこし 広めの部屋に
作り直してもらえんですか。」
**************************
ある日のこと。
深津さんと 奥さんは 僕の実家に居た。
ちゃぶ台の上には お茶の湯気が ゆらゆらと立ち昇っている。
その時、僕は あっちの家にいたので、当然この場には居ない。
お母さん
「え? 良太を?」
深津さん
「はい。
どうしても です。」
お母さん
「でも、、、
急に、、、」
深津さん
「幸子さんは ご存じないかもしれませんが、、、、
これは、良太君に 口止めされてるので
ここだけの話に しといてもらいたいんですが、、、
良太君は ここんとこ、日曜日になると
うちに来てくれていたんです。
実は、あっちの家では うまくいっていないようです。
いえ、
うまくいっていないなんて、そんなもんじゃない!
むしろ 子供にとっては 虐待と言ってもいいくらいの
そんな、惨めな生活をしているようです。」
お母さん
「そんな、、、」
奥さん
「でも、事実ですよ。
床屋さんにも連れてってもらえなくって、
先日 私が連れてったんです。
床屋さんに。」
深津さん
「ご飯だって、1人で食べてるそうです。
暗い 冷たい 部屋でね。
おかずなんて、ほとんど無し。
だから うちに来るときは
それこそ、一週間分 お腹に詰め込む勢いで
食べて行きます。」
お母さん
「・・・。
そうだったんですか・・・。」
深津さん
「私もね、同情とか、勢いとか、
そんな一時の感情で こんなこと言ってるわけじゃないんです。
彼の将来を思って、
彼がこれから きちんと成長していくことを思って・・・」
お母さん
「でも・・・、」
奥さん
「うちが 火事になった時、
一番がんばったのは シロなんです。
シロが居なかったら、
もしかしたら、火事の発見が遅れてたかもしれない。
そしたら もっと延焼してただろうし、
私たちの命だって・・・
そのシロの命を救ったのは 良ちゃん。
だから、『良ちゃんに 助けてもらった』
私たち、本当に そう思ってるんですよ。」
ワン!!!
表に つないでいる シロが吠えた!!!
まるで お母さんに 懇願するように・・・
シロ
(ボクも 良太くんと 一緒に 暮らしたい!!!)
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2008年01月15日
少年の日9(後編) −自転車−
(つづき)
僕は決意した!
よし!!
今度の日曜日だ!!
お母さんには 会えない。
会ったら 絶対心配するし。
だから、せめてシロに会いに行こう!
深津さんに また よしよし してもらうんだ!
僕は 覚悟を決めた。
日曜日の朝、僕は 例の不恰好な
自作おにぎりを リュックに入れた。
僕
「伯母さん、
友達のところに 行ってきます。
お昼は おにぎり 作ったから いらないです。
夕方には 帰りますので。」
伯母さん
「あー、
勝手にどうぞ。」
伯母さんは 面倒臭そうに
しっしっと 手の甲を振る。
僕は お古の自転車を すっ飛ばした。
背中に羽根が生えたようだった。
ウキウキ!
ドキドキ!
あの日 覚えた道順。
今思えば、めちゃくちゃ集中していたんだな。
僕は 一度も迷わなかった。
ちょっと秋風が きつかったけど、
体は ポカポカして、汗がにじむ。
2時間くらいだったと思う。
見慣れた風景が 僕を出迎えてくれる。
ここを曲がれば 深津さんの魚屋だ。
いた!
僕
「おじさーーーーーーん!」
深津さん
「ん?
おーーーーっ!!
良ちゃん!!
すごいな!
自転車で来たのか?」
僕
「うん!
来ちゃった。
一度も 道 間違えなかったよ!」
深津さん
「しっかし、まあ、よー来たなぁ。
とりあえず、上がっていけよ。
おーい、良ちゃんだぞ!
お茶 入れたってくれぃ!」
深津さんは 奥さんに お茶を入れるように
言ってくれた。
奥さん
「あらあ、良ちゃん
一人で来たの?
偉いねえ。
さ、さ、あがって!」
ここでは、僕は 歓迎されている。
深津さんも 奥さんも 僕を覗き込んで
しっかり 話をしてくれる。
二人は 僕が あっちの家で
寂しい思いをしてることを わかってくれてる。
だから、そのことについては 全く聞いてこなかった。
二人にとっては、本当は、一番心配な事だったはずなのに。
奥さん
「お母さんには 会ってきたの?」
僕
「ううん。
だって、心配するから。」
奥さん
「そうだけど・・・、」
深津さん
「シロ、会いにいくか?」
僕
「うん!!!」
ダッシュで庭へ向う 僕。
「シロ!!!」
ワン!!!
ワン!!!
ワン!!!
シロも シッポを振って 僕を 歓迎してくれる。
ここでは 誰からも否定されない。
人に 存在を 認めてもらえる。
僕は それが 心の底から 嬉しかったんだと思う。
もちろん、当時は 『存在を認める』 とか、
そんな心理学の理屈は 分かっちゃいないが、
とんでもない喜びだということは 肌で はっきりと感じていた。
奥さん
「良ちゃん、お昼は?
食べたの?」
僕
「ううん、まだ。
でも、おにぎり 作ってきたんだ。」
奥さん
「自分で???」
僕
「うん。」
奥さんと深津さんは 目を合わせる。
「・・・・。」
奥さん
「よし、魚、焼いてあげる。
あと お味噌汁も。」
僕
「ほんと?!
やったあ!!!」
僕は 久しぶりに あったかい食卓を囲んだ。
深津さん
「どうだ?
うちの魚 うまいだろ?」
僕
「うん、うまい!!」
深津さん
「頭まで 食べんくて いいからな。
そこは シロの担当だ(笑)」
深津さん、奥さん、シロ、
いいなあ、この家。
うちと おんなじ。
あったかいなあ。。。
僕
「おじさん、おばさん、
また 来てもいい?」
深津さん
「いいぞお!
いつでも来ていいぞお!」
奥さん
「そうね、前もってわかってたら
今度は ご馳走 作ってあげる。」
僕
「ほんと?
やったあ!!!」
帰り道、
僕は この 小旅行が成功したこと、
次も 来ていいんだ、という喜び、
温かい深津さん、奥さん、
大好きな シロ!
何もかもが 嬉しかった。
あっちの家に帰ることは
嬉しくもなんともないけど、
でも、また、次の楽しみがあると思うと
わくわくする心を 抑え切れなかった。
僕は 初めて 生きる希望を見つけたんだ。
*********************
初冬のある日。
木枯らしが 吹く晩の 深津家。
月の綺麗な夜。
物音一つしない夜。
深津のおじさんも 奥さんも シロも眠っている。
突然 シロの耳が ぴくっと 動き、
そして、力の限り 吠え出した!!!
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
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僕は決意した!
よし!!
今度の日曜日だ!!
お母さんには 会えない。
会ったら 絶対心配するし。
だから、せめてシロに会いに行こう!
深津さんに また よしよし してもらうんだ!
僕は 覚悟を決めた。
日曜日の朝、僕は 例の不恰好な
自作おにぎりを リュックに入れた。
僕
「伯母さん、
友達のところに 行ってきます。
お昼は おにぎり 作ったから いらないです。
夕方には 帰りますので。」
伯母さん
「あー、
勝手にどうぞ。」
伯母さんは 面倒臭そうに
しっしっと 手の甲を振る。
僕は お古の自転車を すっ飛ばした。
背中に羽根が生えたようだった。
ウキウキ!
ドキドキ!
あの日 覚えた道順。
今思えば、めちゃくちゃ集中していたんだな。
僕は 一度も迷わなかった。
ちょっと秋風が きつかったけど、
体は ポカポカして、汗がにじむ。
2時間くらいだったと思う。
見慣れた風景が 僕を出迎えてくれる。
ここを曲がれば 深津さんの魚屋だ。
いた!
僕
「おじさーーーーーーん!」
深津さん
「ん?
おーーーーっ!!
良ちゃん!!
すごいな!
自転車で来たのか?」
僕
「うん!
来ちゃった。
一度も 道 間違えなかったよ!」
深津さん
「しっかし、まあ、よー来たなぁ。
とりあえず、上がっていけよ。
おーい、良ちゃんだぞ!
お茶 入れたってくれぃ!」
深津さんは 奥さんに お茶を入れるように
言ってくれた。
奥さん
「あらあ、良ちゃん
一人で来たの?
偉いねえ。
さ、さ、あがって!」
ここでは、僕は 歓迎されている。
深津さんも 奥さんも 僕を覗き込んで
しっかり 話をしてくれる。
二人は 僕が あっちの家で
寂しい思いをしてることを わかってくれてる。
だから、そのことについては 全く聞いてこなかった。
二人にとっては、本当は、一番心配な事だったはずなのに。
奥さん
「お母さんには 会ってきたの?」
僕
「ううん。
だって、心配するから。」
奥さん
「そうだけど・・・、」
深津さん
「シロ、会いにいくか?」
僕
「うん!!!」
ダッシュで庭へ向う 僕。
「シロ!!!」
ワン!!!
ワン!!!
ワン!!!
シロも シッポを振って 僕を 歓迎してくれる。
ここでは 誰からも否定されない。
人に 存在を 認めてもらえる。
僕は それが 心の底から 嬉しかったんだと思う。
もちろん、当時は 『存在を認める』 とか、
そんな心理学の理屈は 分かっちゃいないが、
とんでもない喜びだということは 肌で はっきりと感じていた。
奥さん
「良ちゃん、お昼は?
食べたの?」
僕
「ううん、まだ。
でも、おにぎり 作ってきたんだ。」
奥さん
「自分で???」
僕
「うん。」
奥さんと深津さんは 目を合わせる。
「・・・・。」
奥さん
「よし、魚、焼いてあげる。
あと お味噌汁も。」
僕
「ほんと?!
やったあ!!!」
僕は 久しぶりに あったかい食卓を囲んだ。
深津さん
「どうだ?
うちの魚 うまいだろ?」
僕
「うん、うまい!!」
深津さん
「頭まで 食べんくて いいからな。
そこは シロの担当だ(笑)」
深津さん、奥さん、シロ、
いいなあ、この家。
うちと おんなじ。
あったかいなあ。。。
僕
「おじさん、おばさん、
また 来てもいい?」
深津さん
「いいぞお!
いつでも来ていいぞお!」
奥さん
「そうね、前もってわかってたら
今度は ご馳走 作ってあげる。」
僕
「ほんと?
やったあ!!!」
帰り道、
僕は この 小旅行が成功したこと、
次も 来ていいんだ、という喜び、
温かい深津さん、奥さん、
大好きな シロ!
何もかもが 嬉しかった。
あっちの家に帰ることは
嬉しくもなんともないけど、
でも、また、次の楽しみがあると思うと
わくわくする心を 抑え切れなかった。
僕は 初めて 生きる希望を見つけたんだ。
*********************
初冬のある日。
木枯らしが 吹く晩の 深津家。
月の綺麗な夜。
物音一つしない夜。
深津のおじさんも 奥さんも シロも眠っている。
突然 シロの耳が ぴくっと 動き、
そして、力の限り 吠え出した!!!
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
ワン!!!!
ワォォォォォン!!!
ワン!!!! ワン!!!! ワン!!!!
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少年の日9(前編) −自転車−
The Story 9 −自転車−
楽しかった 実家での2日間。
夢のようだった 2日間。
伯父さんの家に着くと、
僕は また、あの暗い部屋へ 閉じこもった。
お母さんが 握ってくれた おにぎり。
食べてしまったら 無くなってしまう。
でも、食べなきゃ悪くなっちゃう。
『いつ 食べよう・・・』
僕は お母さんを 思い出しながら
そのまま 横になっていた。
涙が 自然と 頬を伝う。
『今度は いつ 会えるんだろう』
泣いたまま、僕は、疲れたのか、
そのまま 寝入ってしまった。
「良太ー めしだぞ!」
3兄弟の誰かが 呼びに来た。
僕は 眠ったままだ。
伯母さん
「あれ?
良太は?」
次男
「知らん。
返事ないし。」
伯母さん
「ふん、
どうせ、寝てんだろ。
もういいよ、呼ばなくて。」
はっ、と目を覚ました 僕。
気がつけば 外は暗くなっていた。
晩御飯の時間は もう とっくに 過ぎている。
(そっか、僕が返事しなかったから・・・)
結局、いつ食べようかって思ってた おにぎり。
その日のうちに 食べることになった。
「お母さん、、、
お母さん、、、(涙)」
おいしい おにぎり
だけど、寂しい おにぎり、、、
**********************
何日かたった ある日のこと、
紀夫は 新しい自転車を 見せびらかしにきた。
紀夫
「いいだろう〜
昨日 俺、誕生日だったからな。
自転車買ってもらったんだ!
良太!
お前、これ、絶対 触るなよ!!
お前のバイキンが ついたら
せっかくの自転車が さびるからな!」
僕
「別に 触ったりしないよ。
自転車なんて、、、」
自転車、、、
本当は すごく うらやましかった。
だって、自転車があれば どこでも行けるんだから。
お母さんのいる家にだって!
そうか!!!
次の日、
僕は 勇気を振り絞って 伯母さんに 話しかけた。
「伯母さん
前に紀夫くんが乗ってた
あの自転車、、、
どうするんですか?」
伯母さん
「どうするって、
捨てるでしょ。
普通。
あんなボロ自転車。」
僕
「捨てるんだったら、
僕、欲しいんですけど、、、」
伯母さん
「あんなボロ?
ま、どうせ捨てるんだし、勝手にしな。」
タバコの煙を ふーっと吐き出す。
僕
「ありがとう、伯母さん」
確かに 古い自転車だけど、
3兄弟の上から順番に
お下がりしてきた自転車だけど、
まだ、十分使える。
僕は決意した!
よし!!
今度の日曜日だ!!
(つづく)
楽しかった 実家での2日間。
夢のようだった 2日間。
伯父さんの家に着くと、
僕は また、あの暗い部屋へ 閉じこもった。
お母さんが 握ってくれた おにぎり。
食べてしまったら 無くなってしまう。
でも、食べなきゃ悪くなっちゃう。
『いつ 食べよう・・・』
僕は お母さんを 思い出しながら
そのまま 横になっていた。
涙が 自然と 頬を伝う。
『今度は いつ 会えるんだろう』
泣いたまま、僕は、疲れたのか、
そのまま 寝入ってしまった。
「良太ー めしだぞ!」
3兄弟の誰かが 呼びに来た。
僕は 眠ったままだ。
伯母さん
「あれ?
良太は?」
次男
「知らん。
返事ないし。」
伯母さん
「ふん、
どうせ、寝てんだろ。
もういいよ、呼ばなくて。」
はっ、と目を覚ました 僕。
気がつけば 外は暗くなっていた。
晩御飯の時間は もう とっくに 過ぎている。
(そっか、僕が返事しなかったから・・・)
結局、いつ食べようかって思ってた おにぎり。
その日のうちに 食べることになった。
「お母さん、、、
お母さん、、、(涙)」
おいしい おにぎり
だけど、寂しい おにぎり、、、
**********************
何日かたった ある日のこと、
紀夫は 新しい自転車を 見せびらかしにきた。
紀夫
「いいだろう〜
昨日 俺、誕生日だったからな。
自転車買ってもらったんだ!
良太!
お前、これ、絶対 触るなよ!!
お前のバイキンが ついたら
せっかくの自転車が さびるからな!」
僕
「別に 触ったりしないよ。
自転車なんて、、、」
自転車、、、
本当は すごく うらやましかった。
だって、自転車があれば どこでも行けるんだから。
お母さんのいる家にだって!
そうか!!!
次の日、
僕は 勇気を振り絞って 伯母さんに 話しかけた。
「伯母さん
前に紀夫くんが乗ってた
あの自転車、、、
どうするんですか?」
伯母さん
「どうするって、
捨てるでしょ。
普通。
あんなボロ自転車。」
僕
「捨てるんだったら、
僕、欲しいんですけど、、、」
伯母さん
「あんなボロ?
ま、どうせ捨てるんだし、勝手にしな。」
タバコの煙を ふーっと吐き出す。
僕
「ありがとう、伯母さん」
確かに 古い自転車だけど、
3兄弟の上から順番に
お下がりしてきた自転車だけど、
まだ、十分使える。
僕は決意した!
よし!!
今度の日曜日だ!!
(つづく)
2008年01月11日
少年の日8(後編) −時間よ、止まれ−
(つづき)
伯父さんと 伯母さんが迎えに来た。
母
「良太を よろしくお願いします。」
伯父さん
「はい。
わかりました。
じゃ、お預かりしますね。
心配しないでくださいね。
こっちは 大丈夫ですから。」
伯母さん
「良ちゃん♪
久しぶりにお母さんに会えて
甘えちゃった?(笑)」
伯父さん
「良太くんは 男の子だぞ、
そんな、甘えたりしないよな?(笑)」
僕
「う、、ん。」
伯母さん
「ねえ、、
あなた、、、」
伯母さんは、伯父さんの袖を引っ張った。
伯父さん
「う、ん。
あの、、、
幸子さん(母のこと)、
良太君、来年、中学生だし、
その、
色々と、、、
その、
食事とかも、、、
体、大きくなっていくし、、、
言い難いことなんだけど、、、」
母
「あ、、、はい、、、
もう少し、できるだけ、、、
頑張ってみます、、、」
歯切れの悪い会話。
養育費の交渉だということは 僕にもわかった。
(お母さん、ごめんなさい。
迷惑かけて、ごめんなさい。
僕、ガマンするから。
色々、ガマンするから。)
時間になった。
伯父さん
「じゃ、出るよ。」
伯母さん
「幸子さん、
じゃ、失礼します♪」
僕
「お母さん!!!!
お母さん、、、、
お母さん、、、、」
車の窓から見える お母さん。
どんどん小さくなる お母さん。
交差点を曲がり、ついに見えなくなった。
伯母さんが、ぶっきらぼうに問いかけてきた。
「で?
どうだったの、実家は?」
僕
「どうって、、、」
伯母さん
「ちゃんと 言っといただろ!!!
『良くしてもらってる』って話に
ちゃんとなってんだろうね?」
僕
「はい。
大丈夫です。」
伯父さん
「まあ、そんなに 威圧すんなって。」
伯母さんは 語気を荒げて答えた。
「あんたこそ何よ!!!
少し増やしてもらうくらい、ズバッと言えないの!?」
伯父さん
「幸子さんも大変なんだからさ、
そりゃ 言い難いさ。」
伯母さん
「こっちだって、育ち盛り 3人も抱えてるんだよ!!
あんたの安月給じゃ、もう1人なんて
大変なんだからね!!
んっとに 役立たずなんだから!!」
『役立たず』
この言葉に 伯父さんも切れた。
「お前がしっかり 家計を管理しないからだろう?!
うちより給料少ない家なんて、たくさんあるんだぞ!
だけど、みんなちゃんとやってる!
お前の やりくりが いい加減すぎんだよ!!!」
伯母さん
「何よ!!
あたしのせいだっていうの!!」
また始まった・・・
僕は 寝たふりをする。
おにぎりの入った、かばんを抱えながら・・・
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伯父さんと 伯母さんが迎えに来た。
母
「良太を よろしくお願いします。」
伯父さん
「はい。
わかりました。
じゃ、お預かりしますね。
心配しないでくださいね。
こっちは 大丈夫ですから。」
伯母さん
「良ちゃん♪
久しぶりにお母さんに会えて
甘えちゃった?(笑)」
伯父さん
「良太くんは 男の子だぞ、
そんな、甘えたりしないよな?(笑)」
僕
「う、、ん。」
伯母さん
「ねえ、、
あなた、、、」
伯母さんは、伯父さんの袖を引っ張った。
伯父さん
「う、ん。
あの、、、
幸子さん(母のこと)、
良太君、来年、中学生だし、
その、
色々と、、、
その、
食事とかも、、、
体、大きくなっていくし、、、
言い難いことなんだけど、、、」
母
「あ、、、はい、、、
もう少し、できるだけ、、、
頑張ってみます、、、」
歯切れの悪い会話。
養育費の交渉だということは 僕にもわかった。
(お母さん、ごめんなさい。
迷惑かけて、ごめんなさい。
僕、ガマンするから。
色々、ガマンするから。)
時間になった。
伯父さん
「じゃ、出るよ。」
伯母さん
「幸子さん、
じゃ、失礼します♪」
僕
「お母さん!!!!
お母さん、、、、
お母さん、、、、」
車の窓から見える お母さん。
どんどん小さくなる お母さん。
交差点を曲がり、ついに見えなくなった。
伯母さんが、ぶっきらぼうに問いかけてきた。
「で?
どうだったの、実家は?」
僕
「どうって、、、」
伯母さん
「ちゃんと 言っといただろ!!!
『良くしてもらってる』って話に
ちゃんとなってんだろうね?」
僕
「はい。
大丈夫です。」
伯父さん
「まあ、そんなに 威圧すんなって。」
伯母さんは 語気を荒げて答えた。
「あんたこそ何よ!!!
少し増やしてもらうくらい、ズバッと言えないの!?」
伯父さん
「幸子さんも大変なんだからさ、
そりゃ 言い難いさ。」
伯母さん
「こっちだって、育ち盛り 3人も抱えてるんだよ!!
あんたの安月給じゃ、もう1人なんて
大変なんだからね!!
んっとに 役立たずなんだから!!」
『役立たず』
この言葉に 伯父さんも切れた。
「お前がしっかり 家計を管理しないからだろう?!
うちより給料少ない家なんて、たくさんあるんだぞ!
だけど、みんなちゃんとやってる!
お前の やりくりが いい加減すぎんだよ!!!」
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